アベノミクス 新3本の矢でどうなるのか?
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こんにちは、ゴルゴ31です。
8月の乱高下から1ヶ月半くらい経過しました。
毎日、200~300円程度日経平均が動くのは当たり前、500円幅で上下しても決して驚かないそんな最近の相場です。
中国問題に端を発して株の上下の変動幅が激しいわけですが、そんなことも言っておられません。
ここ数日は緩和期待で大いに株価が回復していますが、足元は厳しいような感じがします。
その証拠に商いは薄いですよね。
もう少し大きな目で見てみると、我が国の経済が順調に行くか、それともアベノミクスが失敗に終わるかの岐路に来ている気がします。
さて、そのアベノミクスといえば、3本の矢。
元々は毛利元就が病に伏した床で子供たちに対して、一本の矢なら簡単に折れるけど三本にまとまればなかなか折れない、という逸話から「三矢の教え」というよく聞く話ですね。
アベノミクスの方は…
20年もの長きに渡り「デフレ」に苦しむ日本経済から脱却させ、「デフレ脱却」と「富の拡大」実現するために安倍晋三総理によって実施されている経済政策です。
アベノミクスの最初の3本の矢をもうちょっと詳しく見てみましょう。
アベノミクス3本の矢とは…
第1の矢…大胆な金融政策
第2の矢…機動的な財政政策
第3の矢…民間投資を換気する成長戦略
ですね。
第1の矢は日銀の量的緩和というやつです。
具体的に言うと
・日銀による銀行からの国債買い入れ
・ETF(上場型投資信託)の購入
これらによってマネタリーベースは第2次安倍政権発足時の2012年12月に約130兆円だったのですが、2015年8月には約322兆円になっています。
約2.5倍ですね。
ちなみに、その10年前の2002年のマネタリーベースは90兆円くらいでした。
つまり、10年間で40兆円しか増えなかったものが、安倍政権の3年に満たない期間で200兆円近くも急激に増えたことが分かりますね。
で、このマネタリーベースをどうやって増やすのかというと、日銀が民間の銀行が保有する日本国債を買い入れることによって増やします。
日銀は政府から国債を直接購入することは出来ません。
日銀法で禁止されているからです。
その代わりに民間の銀行から日本国債を買入れているわけです。
日本国債は一度民間の銀行のみならず、生命保険会社や証券会社などの金融機関から入札という方法で市場の洗礼を受けることにより、信用を保っているわけです。
日本国債が暴落するときにはこの入札が不調になること、つまり金融機関が消化しきれなくなることが考えられます。
ずっと囁かれていることで、その時はパニック的になるでしょうけどね。
元に戻します。
で、アベノミクス発足時に130兆円だったマネタリーベースなんですが、現時点で200兆円弱増えているわけですよね。(322兆円ー130兆円)
国債の購入資金は日銀からしてみたらお金を刷る必要すらなく、コンピュータの数字を増やして銀行に数字の上でのみ送金するだけです。
いやいや、現実的には送金すらする必要ないですね。
日銀には当座預金があって民間の銀行がここにお金を預けることになっています。
これを日銀当座預金、略して「日銀当預」と言うんですが、マネタリーベースの増加分はほとんどここが膨れ上がっているわけです。
つまり、この日銀当預の数字が増えただけといってもいいくらいの現状です。
そして、日銀当預は利息がつかないわけですが、これが減ることがないのが事実ですね。
なぜ減らないかというと貸す先がないからです。
つまり、いくら金利が安くとも一般企業は借金をしてまで設備投資をするつもりはないということになりますね。
なので、いくら金融緩和を行っても国内の景気が良くなっている実感がわかないということですね。
いくら民間銀行から国債を買い上げても銀行は貸していく先がないんですよ。
実はマネタリーベースが200兆円も増えているのに、実際の貨幣流通量はほとんど増えていませんから。
おっと、第1の矢だけで少し長くなりました。
第1の矢はまぁそういうことです。
ちょっとスピードアップしますね。
第2の矢は、簡単に言うと公共投資ですね。
第1の矢で語ったように民間の需要が少ないので、政府支出である公共工事によって下支えしているということになりますね。
アベノミクスでは公共投資を前倒しでやっているということになります。
これが第2の矢です。
第3の矢は…う~ん、これがアベノミクスではまったく不発ですよね。
第2の矢でも指摘したのですが「民間投資を喚起する成長戦略」ですからね。
「成長戦略」ですよ、成長戦略。
ボクにはピンときませんね。
現実的には日銀当預ばっかり積み上がっていて、資金需要が低いんで低金利のままですよね。
そんな消化不良のアベノミクス3本の矢なんですが、なんと新3本の矢なるものが、発表されましたよね。
新3本の矢とは…
・希望を生み出す強い経済
→名目GDP600兆円の達成
・夢をつむぐ子育て支援
→希望出生率1.8の実現
・安心に繋がる社会保障
→介護離職ゼロの実現
なんですが、なんとも現実離れしたものが多いですよね。
そしてこれは第1の矢のGDP600兆を達成できるかどうかというのは最低条件じゃないでしょうか?
つまり、経済成長もできていないのに「子育て支援」「充実した社会保障」も無理だということです。
なので、今から名目GDP600兆円という数字に関して考えてみましょう。
まずは「名目」と「実質」の違いですが、簡単に言うとインフレ率を加味しているかどうかということになります。
つまり、名目GDPが倍になっても、物価が倍なら実質GDPは変わらないということです。
名目GDPの推移を見てみると1992年位からず~っと我が国日本は500兆円前後ということになります。
四半世紀近く経済成長が止まっていますね。
ちなみに名目GDPを同じ1992年比で見てみますと、米国が2.7倍、中国に至ってはなんと23倍にもなっています。
ということは、本来なら我が国も少なくとも1000兆円の大台に乗せてないといけないくらいのはずですが、実際にはその半分ですね。
手元に1994年度からのGDPの内訳資料があるので見ているんですが、1994年度の内訳と比べても個人の住宅投資と公共工事であわせて30兆円近くマイナス、その他でちょっとずつ補ってなんとか1990年代の水準を維持しています。
これをどうやって100兆も円増やして600兆円にするかは、めちゃくちゃ疑問ですね。
エネルギー価格の下落があったにせよ、インフレターゲットを設定しても、なかなかこれが達成できていないですからね。
やっぱり、米国のIT革命のような新たなテクノロジーが必要なんですが、ちょっとそういう雰囲気は感じませんね。
ならば、香港やシンガポールのような金融立国を目指したいところですが、銀行・生保・証券会社&金融庁がゴミもいいところですからね。
金融立国どころか金融鎖国をして、ゴミ商品を買わされる我々は本当に不幸ということです。
日本国民の不幸の元凶は上場申請をしている元国営巨大金融機関や巨大任意団体というところでしょうか。
そして、現在もその元国営巨大金融機関を高値で上場させるための必死の株価防衛策をやっている政府の姿がかいま見えます。
まぁ、愚痴っても仕方がないので我々は自分ができることをやりましょう。
政府に期待しないほうが良さそうです。
それでは。